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新型コロナ後遺症とME/CFS
新型コロナ後遺症からME/CFSに移行することがあります。ME/CFSは、発症前にインフルエンザや風邪といった感染症を経験したケースが多く報告されており、ウイルス感染が発症の引き金になるのではないかと考えられてきました。新型コロナウイルス感染症(COVID -19)にお いても、急性期症状後、重度な倦怠感などの症状が続く後遺症から、ME/CFSの診断基準を満たすようになる患者さんが一定数いることがわかっています。
新型コロナ後遺症とはどんな病気?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期症状は一般的に2週間程度で改善しますが、症状が長引いたり再燃したりする患者さんが、少なくとも10人に1人程度存在します。
WHO(世界保健機関)では「新型コロナウイルス感染の確定ないし疑いのある患者が、罹患後 3 か月以上を経過して、なおさまざまな症状が 2 か月以上続き、他の診断が該当しない場合」をPCC (post COVID-19 condition)と定義し、日本では新型コロナウイルス感染罹患後症状(新型コロナ後遺症)と呼ばれています。多く
みられる症状は倦怠感、呼吸困難、認知機能の低下などで、日常生活に障害を及ぼす症状もあるとされています。
新型コロナ後遺症の症状は3か月後ぐらいまでに改善することが多いのですが、疲労感や集中力の低下、筋肉痛、睡眠障害といった症状が数か月持続する場合はME/CFSの診断基準を満たすことがあり、ME/CFS(正確には新型コロナウイルス感染罹患後ME/CFS)と診断されます。また、長引く新型コロナ後遺症とME/CFSは、軽度の身体活動や精神活動(インターネット検索、読書、会話、映像視聴、ゲーム等)後に症状が悪化する状態(労作後不調)も共通しています。
新型コロナウイルスの感染は免疫系に多大な影響を及ぼし、慢性的な炎症や自律神経系の異常を引き起こすことがあり、これがME/CFS の発症リスクを高めると考えられています。
●厚生労働省
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について
各都道府県における罹患後症状に悩む方の診療をしている医療機関や、最新の研究情報、社会支援に関する情報提供をしています。
新型コロナ後遺症かなと思ったら、早めの相談を
新型コロナウイルス感染症から回復後も、重度の倦怠感、集中力や記憶力の低下などの症状が続く場合は、早めにかかりつけ医や新型コロナ後遺症外来などを受診し、個々の症状に対する適切な検査や治療を受けましょう。新型コロナ後遺症の患者さんや家族には、スムーズに症状が回復しないことによる不安や抑うつ気分がみられることも多く、その場合は心療内科や精神科の受診が勧められる場合もあります。
重度な倦怠感が長引き、日常生活に支障をきたすような場合は、ME/CFSを専門とする医療機関の受診も検討してください。
日常生活は、自分に合った活動量を見極めて
新型コロナ後遺症と診断された患者さんは、自分に合った活動量を見極めて日常活動を行うことが大切です。体調の回復が感じられたときにも無理をしないこと、その一方で安静の取り過ぎにも注意が必要です。過度に安静にすることで活動性が低下し、心身のさまざまな機能が低下した状態になることもあります。かかりつけ医と相談しながら、自分の体調に合った活動量を見つけましょう。
エビデンス(科学的根拠)に基づかない治療法に注意しましょう
インターネットや出版物には、エビデンスに基づかない情報が数多く氾濫しています。ビジネスを目的としてメディアや出版物を通じて宣伝された、効果が確認されていない高額なサプリメントや健康器具、エビデンスの乏しい治療法に多額のお金をつぎ込んでしまい、生活困窮に陥 ったというケースも珍しくありません。厚生労働省eJIM(イージム:「統合医療」情報発信サイト)では、「健康・医療情報の見極め方・向き合い方 患者さんとご家族のための手引き」や、民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法と、どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、エビデンスに基づいた情報を紹介しています。
